logrotateでApacheのログをローテーションさせるなら、/etc/logrotate.confに設定を追加するだけでOKだ。
しかし、Apacheにはログローテーションを行う独自のプログラムが付属している。それが「rotatelogs」である。
rotatelogsは、Apacheのバイナリが格納されているディレクトリ(通常は/usr/local/apache/bin)に用意されており、
その設定はhttpd.confで行う。具体的には、次のように「TransferLogディレクティブ」を使う。
TransferLog "|/usr/local/apache/bin/rotatelogs /usr/local/apache/logs/access_log 86400"
TransferLog "|/usr/local/apache/bin/rotatelogs /usr/local/apache/logs/error_log 86400"
TransferLogディレクティブの設定値は、3つのパートから成る。
・ログをローテーションする「rotatelogs」のパスとファイル名
・ローテーションするログのパスとファイル名
・ローテーションするまでの間隔(秒単位)
である。
上記の設定例の場合、access_logとerror_logのそれぞれを24時間(8万6400秒)ごとにローテーションする。
ローテーション間隔は、必要に応じて長くしたり短くしたりすればよい。
■logrotateとrotatelogsの違い
logrotateとrotatelogsには、重要な違いが2つ存在する。切り出したログの履歴管理方法と、切り出し後のログファイルの扱い方である。
logrotateは、logrotate.confで指定した世代数(rotateで指定)を超えると、それより古いものは自動的に削除する。
それに対し、rotatelogsは管理する世代数を設定しない。そのため、切り出したログファイルは管理者の手で消される
までディスク上に保存されることになる。2つ目の違いは、logrotateが切り出し後のログファイルをクリアするのに対し、
rotatelogsはログファイルをクリアしないことである。
この違いを踏まえて考えると、Apache標準のrotatelogsにはメリットもあればデメリットもある。メリットは、頻繁にログを
切り出してもログが消えてしまう心配がないこと。デメリットは、切り出したログを整理しないと、ディスクの領域を浪費することだ。
Apacheのログを分析もせずに捨てるのは、あまり褒められることではない。有益な情報が多数記録されているからである。
かといって、切り出した分のログがクリアされないのも、ディスク領域のことを考えれば問題となる。もしrotatelogsを使うのであれば、
切り出した分のログをクリアする方法も併せて検討する必要がある。筆者は、シェルスクリプトを作って、切り出した分のログは余裕を
持って削除していた(1日に1度、自動的に切り出し、2日前までのログを消していた)。
これらの問題を考慮すると、切り出されたログをちゃんと管理するという前提でlogrotateを使う方をお勧めしたい